今回、97回目の東をどりは復活の催し

東京新橋組合 頭取 岡副 真吾

一昨年に始まるコロナ禍により中止となった東をどりは昨秋に「映像の東をどり」と銘打って、前段は大スクリーンを舞台に設えて芸者衆の踊りを映像美として、後段に芸者衆が登場して実際に踊ると云う新しい形に挑みました。それはコロナ禍を受けて感染対策に知恵を寄せた形でした。

そこから約半年となる今回は舞台を通常の形に戻して「新橋 花の賑わい」と題する踊りを準備しています。今回の賑わいの中にはお祭りがあります。身近な神事の本旨は神に降りて来て頂くものです。新橋一同はそこに疫病退散の願掛けて、楽しき祭りをつくります。それは目新しいものではありません。我々の日々の生業、芸者衆の唄と踊りが演舞場の舞台に在って、幕間に料理と旨酒を用意する。そんな当り前こそが幸いと思い至ります。今までにしてきたことを復活して、願い新たなお祭りを見て頂きたくお知らせする次第です。

このリリースを書きながらコロナ禍の終息を見ない今、随分な大風呂敷と笑われるかもしれません。唯、数年の間に不測には慣れてしまったようです。我々が商うものとは遊び、それは時を経て洗練されると文化と呼ばれます。素敵な日本を遊ぶ、それが東をどりならば、暗い顔で後ろ向きではいけません。ここで日本を遊ぶ場の復活を宣言しまして、不測にも対応できるよう準備にあたります。詳細はこの後に記しますがコロナ禍を通じて、復活を期すもの、出来ぬもの、新しきもの、と計画はいくつかに分かれます。どうぞ、ご留意頂いてお目通しの程をお願い申し上げます。