第97回 東をどり ご支援のお願い

たくさんのご支援、誠にありがとうございました!

– 東をどりの演舞場に江戸情緒を運ぶ招木札  – 

この度、九十七回目の東をどりを五月の演舞場に開催する運びとなりました。今回はコロナ禍から復活を期して通常の形で行う公演。二幕の舞台と幕間は料亭の酒食も復活を予定します。唯、終息を見ないコロナ禍の下、共生を探る公演、広く皆さま方のご支援を募らせて頂きたくご案内を申し上げます。

招木札 伍萬圓
大皮飾り付き 招木札 壱拾萬圓

頂きますご支援は書家の橘右之吉さん(銀座百点誌に右之吉文字がたりを連載中)が木札にお名前を記して東をどり期間の演舞場、玄関ロビーを飾ります。寄席文字の札が招木札となり、飾り紐を付けた大皮と共に東をどりに江戸の情緒を運ぶことでしょう。公演終了を待ちまして招木札と大皮は御礼の品へ替ります。個人に限らず商店、企業の申込みも受付けます。準備の都合、四月末日が期限となります。宜しくお願い申し上げます。

東京新橋組合 一同


招木札(まねきふだ)

江戸の昔、茶屋、旅籠などに、お馴染みのご贔屓が、団体名や個人名を記した木札を贈りました。不案内な土地で見知った名前があるのは心強く「同じ使うなら、見知った名のあるこの店で世話になって、土産話にしよう」と、お馴染みに加えて新規のお客様を招き寄せるところ から、「招喜」の文字が当てられ、景気を付ける招福の縁起物として、店頭に飾られました。文化文政の頃には千客万来を祈念する玄関飾りとなり、凝った招木看板も次々と作られ、江戸の香りを今も残しています。

並べて飾る形から聯(れん)とも呼ばれ、古くは中国由来です。柱や壁の左右に、相対して掛けて飾りとする、細長い書画の板・軸を言います。江戸の昔、祭礼時の飾りとして、各々の町が競い合い、粋と趣向を凝らし、連なり並べ飾ったところから「聯」の名が当てられたといいます。後の祭礼神酒所の寄付連名の原形です。

大皮 / 大鼓(おおかわ)

おおかわは邦楽に欠かせない大事な打楽器です。舞台で囃子方が左の膝の上に横たえて右手で打つ楽器のことを言います。楽器としての役目を終えた大鼓は、目出度く「上がり」と呼ばれ、飾り紐 を着けて招福の飾りとなり珍重されています。

橘右之吉(たちばなうのきち)

橘流寄席文字・江戸文字書家 (株) UNOS代表。東京生まれ。橘流寄席文字家元の故・橘右近師に師事し昭和44年に右之吉の筆名を許される。平成中村座、国立劇場、演芸場、そして湯島天満宮、柴又帝釈天など有名社寺の筆耕も数多く手掛ける。新橋連中奉納の浅草寺本堂の大提灯「志ん橋」も右之吉による。氏考案の千社札シールは新橋はもちろん、全国の花柳界で使われている。銀座百点に「右之吉文字かたり」を好評連載中。